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うすくてかるい
- Nakakura Shogo
- 2016年11月17日
- 読了時間: 2分
とある寺で私は散歩をしていた時のことだ。その寺にはたくさんユリが生えているのだがもうこの時期だ。カラッカラに乾燥していたのである。
割と由緒のある寺で風の通りもゆるやかであるため、カラッカラのユリは形を留めたままたたずんでいた。ところでユリが枯れるとどうなるか知っているだろうか。私は冷凍庫に3年放っておいたバナナを思い出した。
怖いものみたさならぬ腐ったもの見たさで中をのぞくと、なにやらいっぱい詰まっている!ぴろっとめくると、ふぁらふぁらーとたくさん鱗のようなものが落ちた。つまりは腐った冷凍バナナは子房で、鱗は種なのだ。子房がよくわからない方は理科の教科書を引っ張り出すのだ。大人になってから読むと意外と面白い。
寺にはたくさんのカラッカラユリがあったのでたまたま持っていた木の棒でちょんちょんつついた。面白いほどにふぁらふぁらする。もうこうなれば私は止まらないのだ。寺中のカラッカラユリを木の棒でふぁらふぁらさせてみた。舞い散る鱗種。数年後ユリだらけの寺を見かけたらそれは私の仕業だ。
しかしユリ根というものがあることから、ユリの種がこんなに頼りなく薄っぺらだとは思わなかった。ユリ根はごっつくておいしいから。
そういえばユリ根の季節がもう始まる。食べよう。
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